Japanische Klassiker mit Furigana
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
Lesen Sie 心のアンテナ (こころのアンテナ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.973 Zeichen · 27 Bildschirme
師匠の現代化
「大いことを言うな」
「へい」
「あなた。私も銀さんに然う言われて腹を立てたんですけれど、考えて見ると、これは私達に責任がありますよ。私達ばかりじゃありません。同業の人達一般にも時代に目覚めて戴く必要がございますわ」
「銀の字が入れ智恵をすると見えて、お前はこの頃無暗とむずかしいことを言う。何だい? 一体時代に目覚めるってのは」
「俳優さんを見ても分りましょう。『錦着て畳の上の乞食かな』と歎いたのは昔のこと、時代に目覚めた今日は華族さんにも負けませんよ」
「うむ」
「太夫だって三味線だって同じ理窟ですわ。もっとしっかりして下さらなければ困りますわ」
「それは分っている。何うすれば宜いんだ?」
と鐘師匠、煙に巻かれるばかりだった。
師匠の現代化
「銀の字、おれに英語を教えろ」
と師匠が言い出したのは、それから間もないことだった。奥さんや美代子さんの懇願を容れて、時代に目覚める努力を始めたのである。
「へい。しかし私もお教えするほどは出来ません」
銀さんは奥さんに予め頼まれていたけれど、自信がない。
「何と言ったっけかな? あれは」
「へい?」
「英語のイロハさ」
「ABCでございますか?」