Japanische Klassiker mit Furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme
と、そこまでいいかけて、はっとしたように、口をつぐんだ。
「あまり泣いてうるさいようだったら、幼児園へやりますから……ご迷惑はおかけしないつもりです」
そうして、籠のまま抱きとると、
「おお、ハネー、ハネー……」
と、あやしながら、自分の部屋へ行った。
午後から、ひどく蒸暑くなった。プールでひと泳ぎしたいのを我慢して、夜になるまで待っていたが、シュラー氏は暑気あたりでもしたのか、とうとう顔をみせなかった。
「来なかったね」
百々子がそういうと、千々子さまは落着いた顔で、
「今日、来るとは、いってないでしょう。独立祭前後ってんだから、明日かもしれないし、明後日かもしれないし……あなたたちまで、そんなにイライラすることはないのよ。うるさいから、じたばたしないでちょうだい」と、おっしゃった。
七月も半ばをすぎた。
千々子さまは、この世にあきらめということのあるのを忘れ、半礼装の一帳羅を着こみ、活人画中の人物のようにしゃちこばって、毎日、根気よくシュラー氏を待っている。
石田家の憂鬱の時――石田氏は錦鯉の子供に発光剤を飲ませて、夜の廻遊状態?を調査している。賢夫人はメランコリーでものをいわなくなり、五十雄君は下痢で、百々子は食傷……女中部屋の赤ん坊の髪の毛は、染めがはげて生地の亜麻毛になり、メードさんだけが元気で、暇