Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

前にも書いたように葉子は一目見た時からつやが好きだった。台所などをさせずに、小間使いとして手回りの用事でもさせたら顔かたちといい、性質といい、取り回しといいこれほど理想的な少女はないと思うほどだった。つやにも葉子の心持ちはすぐ通じたらしく、つやはこの家のために陰日向なくせっせと働いたのだった。けれども新聞の小さな出来事一つが葉子を不安にしてしまった。倉地が双鶴館の女将に対しても気の毒がるのを構わず、妹たちに働かせるのがかえっていいからとの口実のもとに暇をやってしまったのだった。で勝手のほうにも人気はなかった。

葉子は何を原因ともなくそのころ気分がいらいらしがちで寝付きも悪かったので、ぞくぞくしみ込んで来るような寒さにも係わらず、火鉢のそばにいた。そして所在ないままにその日倉地の下宿から届けて来た木村の手紙を読んで見る気になったのだ。

葉子は猫板に片肘を持たせながら、必要もないほど高価だと思われる厚い書牋紙に大きな字で書きつづってある木村の手紙を一枚一枚読み進んだ。おとなびたようで子供っぽい、そうかと思うと感情の高潮を示したと思われる所も妙に打算的な所が離れ切らないと葉子に思わせるような内容だった。