Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.655 Zeichen · 406 Bildschirme
そして葉子に向かってぶっきらぼうに、
「お前もう寝ろ」
といった。葉子は倉地と女将とをならべて一目見たばかりで、二人の間の潔白なのを見て取っていたし、自分が寝てあとの相談というても、今度の事件を上手にまとめようというについての相談だという事がのみ込めていたので、素直に立って座をはずした。
中の十畳を隔てた十六畳に二人の寝床は取ってあったが、二人の会話はおりおりかなりはっきりもれて来た。葉子は別に疑いをかけるというのではなかったが、やはりじっと耳を傾けないではいられなかった。
何かの話のついでに入用な事が起こったのだろう、倉地はしきりに身のまわりを探って、何かを取り出そうとしている様子だったが、「あいつの手携げに入れたかしらん」という声がしたので葉子ははっと思った。あれには「報正新報」の切り抜きが入れてあるのだ。もう飛び出して行ってもおそいと思って葉子は断念していた。やがてはたして二人は切り抜きを見つけ出した様子だった。
「なんだあいつも知っとったのか」
思わず少し高くなった倉地の声がこう聞こえた。
「道理でさっき私がこの事をいいかけるとあの方が目で留めたんですよ。