Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
川について私は一つの話をもっていた。
それは私が釣をしに出た日は、雨つづきの挙句増水したあとであった。あの増水の時によく見るように、上流から流された汚物が一杯蛇籠にかかっていた。私はそこで一体の地蔵を見つけた。それは一尺ほどもある、かなり重い石の蒼く水苔の生えた地蔵尊であった。私はそれを庭に運んだ。そして杏の木の蔭に、よく町はずれの路傍で見るような小石の台座を拵えてその上に鎮座させた。
私はその台座のまわりにいろいろな草花を植えたり、花筒を作ったり、庭の果実を供えたりした。毎月二十四日の祭日を姉から教えられてから、その日は、自分の小遣からいろいろな供物を買って来て供えていた。
「まあお前は信心家ね。」
姉もまた赤い布片で衣を縫って、地蔵の肩にまきつけたり、小さな頭布をつくったりして、石の頭に冠せたりした。私はいつもこの拾って来た地蔵さんに、いろいろな事をしてあげるということが、決して悪いことでないことを知っていた。ことに、地蔵さんは石の橋にされても人間を救うものだということをも知っていた。私はこの平凡な、石ころ同様なものの中に、何かしら疑うことのできない宗教的感覚が存在しているように信じていた。