Japanische Klassiker mit Furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Lesen Sie 探偵クラブ 烙印 (つめ) von 大下 宇陀児 (おおしたうだる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.509 Zeichen · 103 Bildschirme
が、その巧妙な、ステイジダンスのように次第に反らして行った姿態を、ゆらりと元へもどすと同時に、しなやかな腕がながながと伸びて、固く竹中の首にからみ付いてしまった。沖野がじっと息を詰めているあいだ、二人の影はぴったりと吸い付いたまま動かなかった。
それから後一時間余り、沖野が味った種々の感情は、どういって現わしていいか分らない。気付いてみると、竹中は完全に窓を引下したのではなかった。一つの窓の下框と閾との間が一寸ばかり開いている。沖野は無暗にカーッと上気してしまった。粘っこい唾を嚥み込み嚥み込み、彼はその窓框へ守宮のように獅噛み付いた。それは阿片の夢に誘い込まれた、いとも奇怪なフィルムでしかなかったのだが……。
途中で、彼は思わずドタリと音を立てて、窓の下へ滑り落ちた。が、いい工合に、内ではそれに気付かなかったらしい……。
「……オヤオヤ、もうこんな時間になりましたかねえ」
ふと、こういう竹中の声が聞えたのは、それから少時経った後であった。続いて、
「マミイちゃん、さあ、抱っこ」
と気のせいか、わざとよそよそしい良子の声もした。
この時になって、ようやく沖野はハッと気を取り直すことが出来たのである。