Japanische Klassiker mit Furigana
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みすじまちかいわい
斎藤茂吉随筆集
斎藤 茂吉
Lesen Sie 斎藤茂吉随筆集 (みすじまちかいわい) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.559 Zeichen · 37 Bildschirme
死亡大正十二年十月十日。病名慢性腸加答児。ゑ津。明治十三年十一月二十日生。死亡大正十四年四月二十二日。病名肝臓腫瘍。大一郎。明治三十四年八月八日生。死亡大正十四年二月九日。病名慢性気管支加答児。静江。明治四十年二月九日生。死亡昭和三年一月二十九日。病名腎臓炎。京子。明治四十年生。死亡大正十三年九月二十七日。病名脊髄カリエス。云々である。
鹿島ゑ津さんは即ち初代ぽん太で、明治十三年生だから昭和十一年には五十七歳になるはずで、大正十四年四十六歳で歿したのである。ぽん太については、森鴎外の「百物語」に出ているが、あれはまだ二十前の初々しい時のことであっただろう。誰か小説の大家が、晩年におけるゑ津さんの生活のデタイルスを叙写してくれるなら、必ず光りかがやくところのある女性になるだろうと私は今でもおもっている。
八
そのころ東京には火事がしばしばあって、今のように蒸気ポンプの音を聞いて火事を想像するのとは違い、三つ番でも鳴るときなどは、家のまえを走ってゆく群衆の数だけでもたいしたものであった。
私は東京に来たては、毎晩のように屋根のうえに上って鎮火の鐘の鳴るまで火事を見ていたものである。