Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
と、ふたりのうちの、どっちかがいった。
藤吉郎は、それを小耳にはさむと、こんどは、
「……めッ」
と、にらむ真似をした。
これは、笑って見せたよりも、効果があった。
万寿と茶々は、このおじさん与し易しとみて、垣のあいだから、ヒインと、馬がくちびるを剥くように、歯を出して見せた。
それでも、笑わずに、藤吉郎がにらまえているので、ふたりも睨みはじめた。睨めッこをしはじめたのである。
「やあい、笑ったぞ」
万寿も茶々もよろこんだ。藤吉郎は、あたまを掻いて、もっと、何かして遊ぼうという意味を、手真似や顔つきで誘った。
「おもしろいおじさん……」
ふたりの子どもは、かれの手招きにつりこまれて、そっと柴折を押してはいって来た。
「なあに? ……。なにするの」
「おじさん、どこから来たの」
藤吉郎は、縁を下りて、武者わらじの緒をむすんでいた。その彼をからかい半分に、万寿が手に持っていた芒の穂で、彼の襟もとを擽った。藤吉郎は、擽ったさを怺えて、両方の足の緒をむすんでしまった。
おそろしく敏感な子どもの神経は、彼が身を伸ばした途端の顔いろに何ものかを読み取ったとみえて、咄嗟に、意味もなく、逃げ出そうとした。