Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
(ひとつ使ってみてから、使えたら、使おう)
と、いうような行き方ではなかった。
(この男)
と、見込んだら、いきなりつかみ取って、抱擁してから後、徐々に、自分の使い物とするといった気合いだった。女房を持つにもそれで行った。
古い陶瓷や絵画や仏像などを鑑識する者が、その芸術を感得して判断するよりも、もっと鋭敏なそして迅い「勘」をもって、彼は人品の真偽を観わけた。
「いや、お身の上、よく分った。ところで茂助とやらの母御。あなたはわが子を、まさか生涯、山家の炭焼や猪追いにしておく気ではあるまいが。――どうじゃ、この息子をわしにくれんか。御老母の身ぐるみ、貰いうけようではないか。――とはいえわしも大身ではない。織田信長様の家来、木下藤吉郎という者。知行は低いが、まだこの通り、若いのが取柄といおうか。わし自身がまだ槍一すじで、これから世に出ようとしておる者ゆえ、申さば主従共苦労でゆこうというのだ。――どうだ、嫌か」
と、藤吉郎は、母子のすがたを等分に見ながらいった。
茂助は、
「えッ、わたしを」
と、眼をまろくした。
老母もまた、夢かとばかり歓んで、
「同じ御奉公いたすにも、織田様の御家中へ仕えるなれば、汚名をうけた軍に果てた亡き良人も、どんなに歓ぶことかしれませぬ」