Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

七番楽

七番楽

「すこし客に飽いたな」

信長は、藤吉郎を顧みて、欠伸を見せた。

東福寺の庭は佳い。泉石の奥は紅葉でまっ赤だった。

藤吉郎をつれて一巡り逍遥して来て、座に返るとすぐ、

「誰様のお越しですが」

とか、

「某が御機嫌うかがいにとて参りましたが」

と、客の刺を通じる取次の者が待ち構えていていう。

「ゆるせ。今日のみは、信長もちと疲労というて、取り次ぐな」

門前市をなすとは、ここ数日間の東福寺本陣の景観だった。

酒を担わせ、財を車にのせ、名器名物を捧げて、上は月卿雲客の貴紳から、富豪や名のある町人たちまで、いったい何のために、御機嫌伺いの参賀のと、こんなに押しかけてくるのだろうか?

信長は苦笑を禁じ得ない。

――と、ともに、思い起されるのは、七年前、東国の田舎武士に扮して、ひそかに京の形勢を窺いに来た頃のことである。――あの頃は、信長の首なら狙っても奪ろうという人間はあっても、先から財宝などを贈ってくる者は天下になかった。

それと、おかしいのは、彼は依然として変らない彼であるのに、東福寺へ参候して帰る人間といえば、争って、信長を賞めることを、あだかも自分の誇りみたいにしていることだった。