Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
二十一日記
「このたびの上洛は、私の戦いとは異なる旨、発向の前夜、篤と申し聞けたとおりである。大義の弓矢たることを全軍心にとめて、逃ぐる者は殺すな。益なき民家は焼くな。能う限りに、刈入れまえの田はふみ荒すな」
と云い渡した。
二十一日記
まだ琵琶湖の水も見えない朝霧のうちからであった。
霧を衝いて、黒々と、三万の兵馬はうごき出していた。
丹羽、佐久間などの隊が、箕作城へ攻めかかった合図を、信長は狼火で知ると、
「本陣を和田山へ移せ」
と、四辺へ下知した。
和田山も敵の要害である。もちろん敵軍が充満している。そこへ我が本陣を移せという。――信長の命令は、戦えとか、攻めろとか、奪れとかいう言葉も略して、無人の地を行く気概でいるのであった。
「なに、信長が自身で襲せたと」
和田山の守将山中山城守は望楼から呼ばわる物見に大声で答えるなり、砦にひそむ味方の全体へ、
「これぞ天の与えというもの。――観音寺、箕作の両城は、尠なくも、一ヵ月はきっと支え得る。そのまに松永三好の軍勢やら、湖北の味方が、信長の退路を断つ。――だが、信長が死を急いで、自身わが砦へかかって来たのは、まさに、絶好の機。