Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「それでは、それがしが随身いたそうとする意志にそむく」
と、いって肯かない。
藤吉郎もまた、
「いやいや、自分には、御身の上に立って、召し抱えるなどという器量はない。主君信長に御推挙申して、自分はあなたを師としてこれから学びたいと思っている」
と、衷心からいう。
半兵衛は、否! と明瞭に頭を振って、
「初めから申した通り、それがしは信長様に随身の心は毛頭ない。旧主斎藤家への義理立てのみでなく、もしこの半兵衛が信長様に仕えたら、また必ず君家を去らねばならぬ気がするのです。――仄かに聞き知る御性質と、この半兵衛自身の至らぬ性格を思いあわせて、双方に益なき主従となるような予感がいたされるのでござる。その辺、あなたには何となく気心が措けないでよい。生来のわがままも我意も大きく容れて下さる気がする。――そうした木蔭でなくては身を寄せても寄せきれぬ半兵衛でござる。どうか、御家中の端と思うて戴きたい」
飽くまで、半兵衛は、そういってきかなかった。
「では、どうか、藤吉郎のみでなく、家中一般の軍学の師として、心おきなく、おとどまり下さるように」
そんなところで、二人は妥協がついたとみえ、夜は、燈下に酒を酌み合って、更けるのも忘れて楽しげに話しこんでいた。