Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「いや、きのうをまだ今日だと思っている、そんなのは、天下になお、たくさんいる。頼もしいな」
「……そうだ」
勝三郎は、振り向いて、
「頼もしいといえば、こんどの陣に、一士隊長として、信長公から特に出陣を命じられて、おれの隊に伴って来た男がある。……これも、名家の子だが、いちど落魄れて出直した男だから、少々、骨ぐみができておる。会ってみるか」
「誰だ」
「姓は明智、名は十兵衛光秀という。……ずっと以前には、明智ノ庄の城主で、斎藤道三山城に与していたものだが、義龍に亡ぼされて、諸州を流浪し、先年、将軍義昭の密書をたずさえて、信長様を頼って参った者だが」
「あ。その人か」
勝三郎が呼びにやった兵が帰って来て、その後から、光秀は歩いて来た。
武人らしい姿勢である。きりッとして、主将の勝三郎の傍らに立った。
「明智どの」
「はッ」
「お紹介わせしておこう。これにおらるるのが、洲股の守将、木下藤吉郎どのだ」
「あ。そうですか」
光秀は、一歩前へ出た。
藤吉郎も、すこし動いて出た。初めて、お互いに、相見えたのである。
光秀と、藤吉郎とは、ふた言三言の、雑談をかわしたに過ぎなかった。