Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
将軍家がこの信長に頼られたのは、信長に拠って、京師の奸党三好松永の徒を一掃し、失地を奪回し、室町幕府の御家統を正さんとするにあったのではおざらぬか」
「はッ」
「不肖ながら、その大任を一諾いたした以上は、信長は、疾く近日にも、その実現を考えておる。――なんで将軍家のお館など建てておる暇を持とうや。――それとも卿らは、ふたたび都へ帰って天下に立つお望みもすてて、この岐阜の景勝の地に、悠々、巨館を造営して、生涯を信長の食客となって若隠居でもしたいというお心か」
義昭の側臣らは、一言もなく、引き退った。
それからは、余り不平がましい要求もしなかった。
信長の大言は、決して偽りではないことが、間もなく証明された。
秋、八月に入ると、尾濃二ヵ国の各将へ、出兵の令が下った。
九月五日まで、約三万の軍旅は整え終った。そして七日にはもう岐阜から続々と、出発していた。
京都へ、京都へと。
――出発の前夜、城内の大宴の席で、信長は将士を激励していった。
「果てしない国内の騒乱と、群雄の割拠は、果てしない民衆の塗炭である。万民の苦しみは、一天の大君の御悩みであることはまたいうまでもない。