Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「読めておる。――しかし大丈夫かの、頼みの相手方は、常軌を逸した野武士の徒だぞ。下手に組んで手を咬まれるようなことはないか」
「その辺、仔細はない」
「では、何と好餌をもって、条件としたか知らぬが、おぬしの書状に対して、蜂須賀村の野武士の頭目は、うんと承諾の旨を答えて来たのか」
「他言を憚る」
「ム。機密か」
「これを見てくれ」
具足の下から一札の手紙を取り出して、藤吉郎は黙って犬千代の手に渡した。昨夜ごんぞが齎した蜂須賀小六の返書なのである。犬千代はそれを黙読していたが、書面を返しながら、驚きの眼を相手の顔にすえたまま、しばらくいう言葉を知らなかった。
「お分りであろ」
「木下」
「なにか」
「分ったが、それは断り手紙ではないか。蜂須賀の一族は、先代以来、斎藤家とは切っても切れぬ旧縁のある間がら――織田に加担は義において出来ぬと、明白に断りの書いてあるものを、おぬしどう読んだのだ」
「字の如く」
「……?」
「いや済まぬ」
ふいに頭を下げて、
「てまえの重任を案じて、これまで後を追って、そうお訊ね下さる友誼に対して、甚だ不挨拶を申すようで恐れ入るが、いささか思案もござれば、どうぞ御懸念なく、留守方のお勤め、慥乎とお守りねがいたい」