Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「つい、ごぶさた致しました。いつも御健勝のていで何よりです。亀一様にも、さだめしお身大きくおなりでございましょうな。御内室様も、お変りございませんか。……いやもう、十年一瞬、ここへ伺ってみると、何もかもお懐かしいものばかりで」
と、いった。
そして心から懐かしげに庭の樹々を見まわしたり、屋の棟を仰いだりして、あの石井戸の水を毎朝汲んだものだとか、そこの石の側で、あなたに叱られたことがあったとか、亀一様を背負ってよく蝉捕りをしましたとか――そんな回顧ばかり語り出した。
が――小六の容子は、そんな思い出ばなしに少しもうち溶けなかった。たえず彼の一挙一動に眼をそそいで、やがて言葉も厳つく、
「猿」
と、昔ながらに呼んで、
「汝は、侍になったのか」
と――姿を見れば知れきっていることを、敢えてたずねた。
それをまた、藤吉郎は、少しも不快らしくもせず、
「はい、ご覧の如く、まだ微禄ですが、どうやら武士の端となりました。お欣びください。――実は今日は、かたがた、それも欣んでいただこうと思い、遥々、任地の洲股の陣から、そっと駈け抜けて参ったのです」
と、いった。
小六は、苦笑して、