Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「藤吉郎」
「はい」
「おまえはまだ若い。舌三寸をもって主君の使いをする資格などはない。相手の腹立つようなことばかりいう。おれもおまえのような小僧を相手に怒りたくもない。よいかげんに帰ったらどうだ」
「使いを果さぬうちは帰りません」
「その熱意は買ってやるが、こけの強引というものだ」
「ありがとうございます。しかし、こけの一心という語もよく味わって下さい。人力を絶した大業は、たいがいこけの一心に似ておりまする。そのくせ賢者も余り賢明な道のみは選ばない。たとえば、あなたは私より賢明だと信じているでしょう。然るに、これを局外から見ると、馬鹿が屋根に坐って火事を見物しておるようなものです。四隣に火が燃えひろがっているのに、まだ頑張っている。――わずかに、二千の野武士を持って」
「猿! そちは愈、おれの一刀を、細首に望んでいるのか」
「なんの! 危ないのは、あなたの首です。――義を立てるにも相手にこそよれだ。美濃の斎藤、何者ですか。君臣父子兄弟のあの内紛、骨肉同士が殺戮し合って来たあの暴状。人倫の腐敗も、あれほどなのは、他国では見られない図でしょう。あなたには、お子はないのか。