Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.353 Zeichen · 371 Bildschirme
「密使ですか」
「書面は認めておいた。大沢治郎左衛門にわたして貰いたい」
「承知しました」
「要は、彼を誘うにある。そのまえに日と場所を打ち合わせ、この藤吉郎も出向いて、治郎左衛門と会うまでに、事を運んでもらえば重畳であるが」
「委細、心得ました」
藤吉郎の書簡をもって、蜂須賀彦右衛門は、ひそかに鵜沼城を訪れた。
洲股の密使と聞いて、城主の大沢治郎左衛門は、
「はて。何事か」
と、首をかしげた。
鵜沼の猛虎――といわれる豪勇な彼も、近頃は、怏々と心の楽しまない顔だった。病気と称して、一切、人を避けているのである。
稲葉山の斎藤龍興からは、先頃からしきりと、
――出仕あるべし。
と、召状が来ていた。
一族も家臣も、彼が、それに応じて稲葉山へ行くことを惧れていたが、治郎左衛門自身も、病と称して、出向く気ぶりは見えなかった。
ここへも当然、風説は聞えて来た。彼は一身の危険をおぼえていた。讒臣どもの策謀を恨んでいた。また、斎藤家の紊乱と主君の不明を嘆いてもいた。――が、どうしようもない。つめ腹を切らねばならぬ日が目に見えていた。
そこへ。
敵の洲股城から、蜂須賀彦右衛門の密かな訪れだったので、ふと、