Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
そして一読すると、祐筆に筆を執らせて、
「すぐ持ち帰れ、仔細は書中に」
と極めて簡単な一札を使者に託した。
けれど返書の文意だけでは余りに簡に過ぎると思ったか、使いの者が倉皇として起ちかけると、なお、ことばをもって伝言をたのんだ。
「やがて夜明けと同時に、秀吉は軍をすすめて、きょうにも敵と一戦の覚悟である。すでに敵は眼前にあることゆえ、たとえ味方の諸勢が揃わぬまでも、兵機さえよろしと見れば、いつでも時を移さず交戦に入るであろう。――折角、信孝君をお迎え申して、子としては、父なき御孝道を尽させ給い、臣としては先君の弔合戦、ここは死生も御一緒に、御旗をひとつに、昨朝来、書簡を以て再三御参会を促しまいらせたが、何のかのと御理由のみ立てられて、いっこうお腰の上がらぬ様子。……さもあれば是非なし。悠々、いつまでお待ち申しあげておられぬ場合。後に、お悔い遊ばすことなどないように、丹羽殿も切にお心入れあるこそ輔佐のお役目であろうと。――左様に、筑前が申しおったと、あからさまに伝えてくれい」
使いは恐懼して帰った。使いの者のうけた感じでは、秀吉が多少、癇癪を起しかけているように見えたかもしれない。