Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
宿所は城下の大宝院。
接待の奉行は惟任日向守光秀。
信長の息信忠も、中国へ加勢にゆく支度中だったが、信長は、
「何を措いても珍客には」
と、彼をも督して、その振舞のために手つだわせ、京都、堺の商賈に命じては、あらゆる佳肴鮮味の粋をあつめた。そして、十五日から十七日まで、三日にわたる大饗宴を予定した。それについて、
(いったい、信長公ほどなお方が、どうして、八ツも年下な、しかもその国がらとて、貧しい弱小からやっと近年勢威を示し出した徳川殿などへ、これ程までな御歓待をなさるのか。何か弱いしりでもおありなのか)
坊間、多少こんな取沙汰がないでもなかった。
或る者は、いう。
(あたりまえなことを、異なように云いなさんな。織田徳川の同盟は、そもそも二十余年の誼みではないか。この譎詐権謀だらけな乱世の下に、二十余年来も、おたがいに猜疑せず、違約せず、争わず、信義の交わりをつづけて来ただけでも、こんなうれしいことはないじゃないか。何の理窟や理由が要ろう。それだけでも信長公としては、心から歓びあう値打があるというものだ)
(いやいや、それもあるが、甲州御凱旋の時の、お礼心であろう)