Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
愛宕参籠
「本能寺の由にござりまする」
「なに。本能寺」
「はい」
「二条城ではないのか」
「たしかに、本能寺とのこと、いずれでも沙汰されておりました」
また叱られないようにと気をつけて、又兵衛は、特にはっきりと答えた。
愛宕参籠
巨大な山門を中心として、附近に多くの末院がそれぞれ土塀をかまえ門を持っている。眼のとどく限り掃いたような土肌をしているここの松原全体がひとつの禅苑をなして、梢からこぼれる陽も幽かな鳥の声も、その静寂を助けている。
馬をここにつないで、光秀以下明智家の将士は、朝と午とを兼ねた弁当をつかった。加茂河原あたりで朝食をとるべきなのに、北野まで我慢して来たので、時刻がそういう半端になってしまったのである。
将士はみな一日分の腰兵糧を携帯していた。生味噌と梅干と玄米の飯という簡単なものであったが、夜来の空腹は、これに舌鼓を打って睦み合うに充分なほど、人々の慾を謙虚にしていた。
「――これは惟任日向守様の御人数ではいらせられませぬか」
妙心寺の塔頭大嶺院の僧が三、四人してこれへ茶を運んで来た。そして、
「おさしつかえなくば、何の用意もございませぬが、寺中の一院を、御休息所にお宛て下さいますように」