Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme

Aozora Bunko

に算出して、その数を味方なりと考え、この時期において、公を弑逆するの機をとらえた彼の頭のはたらきは、まことに賢いものだというほかはない。……しかしじゃな。ひるがえって、その野望が成るものか、成らぬものか。旗上げの名分をどう称える気か。彼は、その名分も理論で捏ね上げられるものと思っておるらしいが。……ばかな。たれが、そんなややこしい理論構説に耳をかそう。名分とは、民の直情に合致するものだ。大義とは、民のなかに持っている鉄則の信条じゃ。この標的を外しては、戦も政治もうまく運ぶわけはない。かりそめにも、逆と呼ばれる旗を持っては、たとえ、日向守がどれほど努力しようと、もうこの先は見えすいておる」

碗の中にのこっている冷めた白湯をのみほして、道三はなお云った。

「――それだけでも、利口者の莫迦を証するには充分だが、日向守一箇についていえば、もっともっと彼の愚は大きくなる。それは、もう彼もずいぶん功を立てたろうが、主家の恩寵は眷族におよび、丹波、近江にかけて、六十万石に封ぜられ、酬わるるに何の不足もない。しかも自分の心ひとつで、まちがえば一瞬のまに、わが身のみか、眷族の妻子老幼から、家中の将士の家族までを、いかなる運命に投げこむか……それを思えば、いかなる堪忍とてもできぬことはない。