Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.903 Zeichen · 400 Bildschirme
道三は玄関へ出て行った。
武者たちは玄関にいなかった。家人の案内にも及ばず中門から庭へ入っていた。そしてたくさんな負傷者を見まわすと、やや冷静にかえった様子で、どれが明智の家臣か、どれが織田の武士か、見分けるにちょっと困難な顔つきをしていた。
で、端のほうから、負傷者に訊問をし始めようとしていたところだった。
「残党のおしらべか。ご苦労にぞんずる」
検察の武者たちは、道三の声にふり向いた。白髯痩躯、鶴のような老医家のすがたに明智の部将も、いんぎんに礼を返した。
「当家の主か」
「されば道三でおざる」
「それがしは、並河掃部の手についておる山部主税であるが、今暁来の合戦に、味方の傷負いをおいたわり下されたこと、明智の殿の御名をもってお礼をいう」
「医として、為すことを為したまでのこと。ごあいさつで痛み入る」
「しかし、お囲いの中には、織田の臣もだいぶ交じっておるらしいが、布告のとおり、織田にゆかりある者は、女子年少といえ、一応は連れてまいる。いわんや傷負いはまさしく合戦に立って刃向った敵。……ひとり残らず、即座に、お引き渡しあれ」
「いけない。ひとりとて、渡すことはできぬ」