Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
それもこんどは劃期的な大変化を予測された――たとえば地震の震源地帯のような――無気味な様相におおわれていた。
この無気味の因をなすものは、前にいったような、複雑極まる勢力と勢力の交錯にあるのであって、これは戦争が行われているときよりも、人間の心を悪くし、また疲らせた。
小手をかざせば望めるような――或いは川をへだてて相対しているような――または、丘と丘とで睨み合えるような――郡を隣りしているそれらの城と城とのあいだには、まったく一刻の安心をももち合えなかった。
あなたの城は、こなたの城を。こなたの城は、あなたの城を。――いつ敵になるやもしれぬと、警戒しあい、人や物質の出入りにも、すぐ猜疑をつのらせた。夜もおちおち心までは眠らず、
(いったい彼は、東軍へつく者か、西軍へゆく者か)
と、諜報交戦に猜疑しあっているその者自身、実はまだ、自分の肚は決めてもいないのが多いのである。
とはいえ、帰するところ、かれらの拠り場は、西につくか東かの、二つ以上にはなかった。
いわばいつのまにか、覇力の日本は、二つに割れ、その二つの対峙が、いまや表面化してきたものといえる。