Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
地図屏風
地図屏風
佐吉が退がる。
入れ代りに、金森金五、蜂屋頼隆のふたりが見える。
「あちらへ移ろう」
秀吉は、席を換え、橋廊下をこえた一棟へ入った。
そこの口も、庭まわりにも、小姓を番にたてて、長いこと、密談だった。
金森、蜂屋のふたりは、今、北陸にある丹羽長秀の麾下の将だ。秀吉は、長秀を味方にすべく、先頃から、肺腑をくだいている容子だった。
もし長秀をして、敵方へ走らしめんか、これは彼として由々しい不利とおもう。戦力の上ばかりでなく、戦争名分の上に、信雄や家康の云い分を、世上に信じさせる力が大きい。――なぜならば、丹羽長秀という者は、柴田に次ぐ信長の重臣であったのみでなく、この乱世にめずらしい、温厚篤実な人物という信用をもっているからだ。
それだけに名分では歩の悪いことを承知の秀吉は、是が非でも、彼を味方に加えねばと、きょうまでも、長秀の歓心を買うためには、百方手をつくしていたのである。
もちろん家康や信雄からも、あらゆる誘引策が長秀へ向けられていることも確実だ。しかし秀吉の熱意にはついに彼もうごかされたか、数日前、まず助勢として、金森、蜂屋の二将を北陸からさし向けて来た。