Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme
山つつじ
四郎左衛門は、そこから東南の峰をさして、
「つば競りの御決戦をお覚悟ならば、ここよりは、あれなる前山、仏ヶ根山の方が、いちだんとよい、御旗場所かとおもわれます」
と、答えた。
「ウム。移せ」
決断は、実に早い。
ただちに陣替えが、行われた。すなわち、北畠信雄の軍を仏ヶ根に。家康自身は、前山へと、移ったのである。
ここに立てば、敵の高地とは、まったく、眉を接した近距離にあり、あいだの仏ヶ根池、からす狭間の低地をへだてて、敵の顔も見え、はなし声まで、風に乗って、相互に聞えそうだった。
山つつじ
たれは、あの山鼻に。
たれの手勢は、崖下に。
また、誰々は、坂の両わきに、兵を潜めよ。
沢には、なにがしが行け。
鉄砲隊は、やや高目の地に。槍隊は、駈け出しのよい地勢に着け――などと、持ち場持ち場の配置も、のこらず云い渡される。
家康も、見とおしのよい、前山の一角に、将座をすえた。
すると、軍奉行の渡辺半十郎が、
「お馬じるしが高い。――お馬じるしは、もっと木蔭に立てられい」
と、遠くから注意した。
高地と高地との近接戦に、あまりにも、れいれいと、総大将ここにありと、馬じるしをかかげては、鉄砲の集中をわれから求めることになる。