Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

病める鬼

聟とは、いうまでもなく、森武蔵守長可のことで、羽黒の敗戦で、一時は、敵にも味方にも、長可戦死――と伝えられたが、実は、犬山城の奥でひそかに、満身の負傷を、一族の手で、必死に手当されていたのであった。

病める鬼

秀吉は、雑談好きだ。

雑談のうちに、衆智を、搾取しているらしい。今も、

「市松(福島)は、きょう見て来た小牧の敵塁のうち、どこの備えが、もっとも堅固に見えたか」

とか、

「与一郎(細川)は、もしそちが、敵の二重堀の陣形を攻めるとせば、榊原の陣へ当ってゆくか、松平の塁をくずしにかかるか」

とか、また、

「きょう一巡して来た間に、何ぞ、敵の弱点と見たところ、或いは、味方の弱味と考えられたことがあれば、何でも、遠慮なくいって聞かせい。助作(片桐)はどうじゃ。虎之助(加藤)も、意見あらば申せ」

などと、左右の者へよびかけて、若武者たちの率直な言を、よろこんで聞くのだった。

こんなとき、彼を中心とする一群の若い近習たちは、決して、歯に衣などは着せていない。

かれらが熱しると、秀吉も熱し、主従だか友だちだか、わからない空気にもなるが、ひとたび、秀吉が、すこし儼とすれば、即座にみな、襟を正してしまう。