Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 176.911 Zeichen · 353 Bildschirme

Aozora Bunko

彼と、高力左近と、天野康景の三人は、永禄以来、その職をうごかず、徳川家の三奉行といわれていた。鬼作左は、峻厳をもって聞え、仏高力は仁者として親しまれ、天野は、中和の人という定評だった。――どちへんつかずというのは、三河の方言で、どちらにも偏せぬということらしい。

その鬼作左が、ひと頃、目かどを立てていた上方方面から出た流言も、歳の暮には、いつか下火になっていた。

信雄卿が殺された……などという浮説は、家康が一笑し去ったように、明らかな浮説に過ぎぬものであったことが、やがては、自然に分っていた。

正月を前にして、京から、南洋の九年母というものを献上した者があって、その入荷が、浜松の城へ着いた。

「これは、支那やわが邦でいう九年母とはいささか違う。南蛮蜜柑ともいう木の実であろう」

などと城中でも珍しがったが、美味なので、家康はこれを百顆ほど分けて、先頃、二女の徳姫の嫁いだ北条家へ送った。

ところが、北条家の役人は、これを橙だとばかり思って、

「浜松には、だいだいが珍しいとみえる。小田原にはこんなにあるということを知らせてやれ」

と、時を措いて、本物の橙を、役夫八人にかかせるほど献じて来た。