Japanische Klassiker mit Furigana
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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
Lesen Sie 新渡戸稲造論集 (しんのあいこくしん) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.620 Zeichen · 196 Bildschirme
三 崇拝する理由数箇条
ソクラテス位の大人物になると、言と行との区別が全くなくなる。昔からいう言行一致をする言葉が丁度それである。世には、能く「口の人だ」「口ばかりの人だ」といって、言行不一致の輩を嘲ることがあるが、しかし、その「口ばかりの人」にして、もし言うところのものが、すべて赤誠と確信から迸り出ずるものであって、その一語が、直にその人の名誉地位に連関し、一命を賭して吐露する、というほどの概があるならば、その言は慥に「行」である。否な、寧ろ「行」よりも意味が強いと思う。何故ならば、行は具体的にして、しかも場所と時とを制限するが、言に至っては、抽象的でその達し及ぶ所広く、時もまた無限であるではないか。
ソクラテスがアテンの市長になって、其所の衛生工事を改良したとか、事務を整理したとか、あるいは軍人になって、ペルシャ人に勝ったことがあったとしても、それは恐らく、彼が口その物で称えたことより以上の仕事とはならなかったことであろう。
三 崇拝する理由数箇条
私がソクラテスを好み、かつ崇敬する理由を数箇条にして述べてみるならば、先ず第一には、何事をなすにも、始め己を省み、本心に伺いをたててからするということで、これは、今日世間で頻りに唱道しつつある、修養なるものの根本となるものである。