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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

」

眼は濡れていて、声は華やかだった。

「折角の夜を、こんな話をしてしまって――お雛さまがおむずかりになるわ。」

用はもう済んだのだ、彼女は立って広間へ案内した。

広い客間の日本室を、雛段は半分ほども占領している。室の幅一ぱいの雛段の緋毛氈の上に、ところせく、雛人形と調度類が飾られてあった。

「御覧あそばせ。まるで養子のように、誰も彼も、これは僕のだこれは私のだと、場所を占領して飾りますの、みんな一揃いずつですもの。いまに、室いっぱいになってしまいますのでしょうよ。あんまり見ごとだって、それをまたいろいろの方が御見物にいらっしゃるので――明日は大勢さんをお招き申しましたわ。こんやは、あなたのためにだけよ。」

お雛さまの前に食卓がつくられてあって、みんな席へついた。

「あたくしねえ、給仕は、年の若い、ちいさい綺麗な男の子がすきです。汚ない、不骨な大きな手が、お皿と一緒につきだされると、まずくなる。」

ほんとに、その通りの少年が、おなじ緑の服を着て、白い帽子を頭において三、四人出て来た。

キュラソウの高脚杯を唇にあてて、彼女はにこやかに談笑する。

「今晩は、お雛さまも御洋食ですの。