Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

その犬神を除くには、修験者のようなことをやっている者が来て、よりと云う者を立てて祈祷にかかる。よりは病人のかわりになる者で、主に女で、多くは経験のある、何時もよりとして雇われている者であった。そのよりは病人の傍で、祈祷者の用意して来た榊の枝に紙片をつけた幣を雙手に捧げるように持って、寂寞として坐っている。と、祈祷者が声高々と祈祷をはじめる。祈祷が進んで来るに従って、よりの幣を持った手が顫い出す。それは犬神がよりに移って来た印だ。よりは額から大粒の汗をぼろぼろ落しながら幣を動かした。榊の葉がばらばらと鳴った。紙片が切れて飛び散った。祈祷者はそれを見ると、祈祷を止めて睨むようによりの女を見おろした。

「お前は何んじゃ、云え、何処から来た」

「近処から来た」

と、よりの女が怪しい声で苦しそうに云う。祈祷者にはすぐ見当がついた。それが判らない時には、

「近処とは何処じゃ、云うて見よ」

と云うと、

「安右衛門からじゃ」

などと、犬神持ちとせられている家の名を云う。強情なのは何処から来たとも、犬神とも何とも云わないことがある。すると祈祷者が嚇した。

「云わないと金縛りにするぞ」