Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

大きな、素張らしく美事な焼芋で、質のよい品を売ったので大繁昌だった。三ツの大釜が間に合わないといった。近所が大店ばかりのところへ、遠くからまで買いにくるので、いつも人だかりがしていた。一軒のお茶受けにも、店の権助さんが、籠をもって来たり、大岡持ちをもってくるので、一釜位では一人の注文にも間にあわなかった。忙しい忙しいとお其はいって、鼻の横を黒くしていた。で私の遊び合手は、私をも釜前につれていった。冬などは、藁の上にすわって、遠火に暖められていると非常に御機嫌になって、芋屋の子になってしまいたかった。だが、困ったことに家の構造が、角の土蔵なので、煙のはけばに弱らされていた。住居にしている二階の上り口へまっすぐに煙筒をつけて、窓から外へ出すようにしてあった。だから、二階の梯子はとりはらわれて、あたしたちの暖っている頭の上を、猿梯子をかけて登ってゆく、物干場は、一度窓から出て、他家の屋根に乗り、そして自分の家の大屋根にゆく仕かけだった。

「売れすぎて損をするって。」

とお其は告げて、あたしの父を笑わせていた。父の晩酌のお膳の前に座るのを、あたしより前にもった特権だとこの小娘は信じて疑わなかった。