Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
ゴロニャーン。」
彼はフーッといって、背中を見る見る盛上げた。
それは全く奇怪な存在だった。アンポンタンはおしっこが出るほど吃驚して、火鉢の縁を握ったまま、首をすくめて中腰になった彼を見詰めた。
その頃藤木さんは、災難つづきで極度な落目だった。下谷青石横町の露路裏のドンヅマリの、塵埃すて場の前にいたが、隣家の女髪結さんから夜中火事を出して、髪結さんは荷物を運び出してしまってから騒ぎだした。一ツ棟だ、かえって火元よりは火廻りの早かった藤木の方が何もかも丸焼けで、垣根を破って隣裏へ逃出し一家命だけは無事だった。で、神田白銀町の煙草問屋へチンコッきりに通うようになった。あたしたちが牢屋の原とよぶ、以前の伝馬町大牢のあった後の町から、夕方になると、蝙蝠におくられて、日和下駄をならして弁当箱をさげて、宿り番に通って来てくれたのだった。
藤木さんはよくいろんな話をしてくれた。御上洛(将軍慶喜)のお供をしたことや、京女のこと――京女の体つきまでにせて、ヘンな京言葉をつかった。
「うつるか。」
ってやがるから、
「かさか。」
って聞いたらね、
「なにいうてやな。」
って怒りやがった。