Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
「いたずらもせぬような男の子はだめだ。」
というふうなことを言った。町ではのれんをはずす忙しい夕暮れかた、褄をとって、小路の角に祖母は時折佇んで、どこともなく眺めていた。祖母の箪笥の引出しには、そっくり手のつかない、男ものの衣服が、したおびまで揃えてしまってあるのを、誰も気がつかないふりをするのだった。自分の死後の白小袖もちゃんと羽二重でつくってある人だった。見すぼらしくしてかえる年老いた息を心に描いていたものと見える。そんな時、あわれげな人が通ると、懐に入れて出た小金を、みんな、その人の掌にあけてやってしまうのだった。
忰虎太郎はあたしの父の若いおりの名で、祖母が老てからは実によく孝養した。
小りんさんは檀家頭なので、お寺へゆくと、和尚たちが心置きなく、
「御隠居さんはこの位までかな。」
と畳へ米という字を書くと、坊主は金がほしくなったので、ひとの葬式を待っていると笑ったが、八十八歳の三月、明治天皇銀婚の御祝いに、養老金を頂いて、感激して、みんなにお赤飯をふるまい、ずらりと並べて箸をとらせ、見ていて死ぬともしらずに死んでいった。