Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
「あなたが、そんなくだらないものを読んで、考え込んでお出なさるから、子供のくせに真似をして黙りこんでいて、溜息なんかつくから、陰気くさくって困るじゃござんせんか。」
父はおかしな人だった。恐縮して俳句をやめ、私を叱らないで、あんの山からこんの山へ、飛んでくるのはなんじゃろか、と頭に二本、指だか扇子だかを、兎の耳のようにおったてる小舞を、能の狂言師をまねいて踊りだしたが、そんな小謡は父が汗を出して習うより早く、障子にうつる影を見て、子供たちの方がおぼえてしまった。
あんの山よりこんの山へとか、頭に二つ、フッフッとか、誰もかれもが唄い、踊りだすので、父が照れて止めて、こんどは茶の湯、家中が、そろりそろりと畳をすってあるく――だが私の溜息をついたのは、別段、父の真似をして黙想したのではなく、胸に病をもちはじめたのを誰もが思いもつかなかったのだ。堅い棒で肩を叩いたり、肋骨をもんだりするのを、ただ読物のせいにばかりした。机によりかかっているからだと厳しくとめられた。
ところで、悲惨なことに――あんぽんたんにとっても悲惨なことに、源泉学校は(前出)やっと尋常代用小学校となったのに、校長秋山先生が疫病で急に死んで学校がなくなった。