Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
お酒がすきで、亀の年という甘いお酒(瀬戸物の大きな瓶のかたちの器にはいっていた)をのませたのでその名をよく覚えてしまって、ある時、お前は卯の年、お前は巳の年と年寄りが言っていたらば、
「あたしは亀の年。」
といって、それから自分の名にしてしまっていたのだった。
この加頭一家は、十一月の酉の町には吉原土手へ店を出した。熊手の簪を売ったこともあったが、篠に通したお芋を売った。がりがりの赤目芋だった。それを一家中が前の日の夕方から担ぎだして、戸板まで運びこんでゆくのだった。新智識の代言人の書生さん一家が、黒紋附きで、あるいはカンゼよりの羽織の紐で、あるいは古新聞で畳んだ十二煙草入れをもって、酉の町の際物師となる。いらっしゃいいらっしゃいと景気よく呼ぶのだそうだが、あたしにはどうしても勢いのいい景色が思いうかばなかった。
後にアンポンタンが十六の時祖母が死んだが、その時、この兄弟がたてた葬式のプランが、なんにも知らない町娘のあたしをさえふきださせた。
彼らはいった。昔の士分の格式にして、この家の生活はいくらか!
甲論、乙駁、なかなかにまとまらない。長い長い巻紙へ書き出してきたのを見ると、あたしが馬車へ乗って白無垢を着る――