Japanische Klassiker mit Furigana
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はるさきのあさのこと
春さきの朝のこと
小川 未明
Lesen Sie 春さきの朝のこと (はるさきのあさのこと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.951 Zeichen · 6 Bildschirme
「どんなこと。」と、おじさんに、聞きました。きっと、おじさんは、教えてくれるだろうと思ったから。
「このごろは、あきすや、どろぼうが、横行するというから、むりもないが、ここを通るものが、みんな私の顔をつめたい目つきで見ていく。そうかと思うと、まだ働きざかりのわかものが、きょろきょろした目つきで、道に落ちたものをさがしながら、わき見もせずつきあたりそうにしていった。あれが、ひろい屋とかいうんだね。まったく、なさけなくなったよ。もし、きみがやってこなければ、さびしかったよ。きみは、ぼくの心がわかったように、いっしょに、花をながめてくれた。これで、やっと、すくわれたというものさ。」
私は、こう聞くと、きのどくに思いました。やっと、遠方から帰ってきて、同情するものがなかったら、力のおとしようは、どんなかと思うからでした。
このとき、おじさんは、たばこを出して、マッチをすりました。その青い煙が、毎夜の霜にやけて、赤くなった、さっきの木をかすめて、ゆるくながれました。
「おじさんのおうちは、どこなの。」と、私は、それを知りたかったのです。
「こちらで、戦争にいくまで、働いていた工場は、どうなったかと、すぐ見にいったのだが、あたりは、まったく焼け野原になっていた。