Japanische Klassiker mit Furigana
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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
Lesen Sie 月世界探険記 (つきのせかいたんけんき) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.351 Zeichen · 29 Bildschirme
「艇長さん、それは可哀想だなア。……じゃいいから、僕の食物を、この佐々のおじさんと半分ずつ食べるということにするから、このままにしてあげてよね、いいでしょう」
「おれの食物の分量さえ減らなきゃ、あとはどうでも構わないよ」
と猿田は云った。
艇長はようやく佐々記者を艇内に置くことを承認した。――佐々はどうなることかとビクビクしていたが、進少年の温い心づかいのため救われたので、少年の手をグッと握りしめ、心から礼を云った。
「あなたは僕の命の恩人だ。……いまにきっと、この御恩はかえしますよ」といった後で、誰にいうともなく「いや世の中には、豪そうな顔をしていて、実は鬼よりもひどいことをする人間が居るのでねえ……」
と、意味ありげな言葉を漏らした。
月世界上陸
月世界の探険に於て、一番難所といわれるのは、無引力空間の通過だった。その空間は、丁度地球の引力と月の引力とが同じ強さのところであって、もしそこでまごまごしていたり、エンジンが止ったりすると、そこから先、月の方へゆくこともできず、さりとて地球の方へ引かえすことも出来ず宙ぶらりんになってしまって、ただもう餓死を待つより外しかたがないという恐ろしい空間帯だった。