Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ざくろ
柘榴
山本 周五郎
Lesen Sie 柘榴 (ざくろ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.342 Zeichen · 25 Bildschirme
四
然もみなそれぞれにかたく結びつき、互いに援けいたわりあって生きている。脇から見れば、良人にも妻にも欠点のない者はないが、当人たちにはそれ程にみえないようだ。これが本当なのだ。真沙はそう思う。「良人となり妻となれば、他人に欠点とみえるものも、うけ容れることができる。誰にも似ず、誰にもわからない二人だけの理解から、夫婦の愛というものが始まるのだ」
真沙はいま昌蔵の示した愛情の表現を、一つ一つ思いだしてみる。それはみな彼なりに真実であった。なみはずれてみえたのは、彼の愛情が他のどんな人間とも似ない彼だけのものだったからだ。彼が真実であればあるほど、それ以外に表現のしようはなかったに違いない。
「なんということだろう」真沙は両手で面を掩った。「なんということだろう――」
四
昌蔵が出奔するとき遺していった、告白と謝罪の手紙も思いだされた。――真沙を幸福にしたかった。その他になんの野心もなかった。これだけは信じて呉れ。こういう意味の、叫びに近い部分が朧げな記憶に残っている。武士たる者がなんというみれんなことを、……そのときはそう思うだけで、すぐに焼いてしまったが、みれんにもめめしくもみえるほど、深い、ひたむきな愛情だったということが、今の彼女には鮮やかにわかる。