Japanische Klassiker mit Furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme
「死刑台じゃないんだよ」
三田村が横から口を出して笑った。
「こいつはね、電気をこわがるんだ。昔から」
「いや、こわいとか、こわくないとかは、関係がない」
五郎は抗弁した。
「電流は体には作用する。しかし、心や感情に作用するかどうか――」
「じゃ酒はどうだね。酒はただの物質だが、感情を左右するよ」
「では睡眠療法の方がいいでしょう」
医者は煙草を揉み消しながら、とりなすように言った。
「いつでもいいですよ。病室の用意をしておきます」
「様子がへんかね?」
五郎は丹尾に言った。ハイヤーは海岸道から折れて、山間に入っていた。折れたところから道がでこぼこになり、車は揺れた。
「どんな風にへんなのか」
「ええ。足がふらふらしているようだし、初めは酔っぱらってるのかと思いましたよ。話しかけても返事をしないしね」
「ああ。まだ薬が体に残ってんだ。それにしばらく歩かなかったもんだから、足がもつれる」
「病院ですか。留置場じゃなかったのか?」
「うん、病院で寝ていた。睡眠剤を服んでね」
丹尾はしばらくして言った。
「自殺をくわだてたんですか?」
「いや。病院に入ってから、毎日服んだ。治療のために服まされたんだ。