Japanische Klassiker mit Furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme
が、天願さん、もし昨晩あなたが宴に加わるのが厭だという気持を起して部屋に帰って寝ようとしたとすれば、僕はあなたを引きずり起してもあるいはなぐっても一緒に宴会に出るだろうと思うのです。しかし、一緒に酒のんだことを後で考えたり、今朝あなたがぼろのようになって寝てるところを見ると、僕はぞっとして身ぶるいする。気障な言い方だが、あなたは僕の影のようなものだ。僕はあなたの影のようなもんだと思うのです」
「影か」と天願氏が苦笑いした。「君は若くて馬鹿正直だから、いろいろ考えてきりきり舞いをしてるんだ。僕がそうだと言うんじゃないけれど、頽廃なら頽廃でもいい、そうした一つの心境に五年も十年も身をひそめて居れば、そういう青くさいことは言わなくなるもんだ。今の気持から抜け出ることはたやすいじゃないか。君は頽廃に酔ってるんだよ」
「そういうことはありません。僕はあなたと話すたびに感じる。あなたは本当の事を言わない。嘘っぱちをしゃべって真実から逃げ廻る。武装している。ポーズを作っている。傷つくことがそんなに恐いのですか?」
「そうじゃない」
「そうです」
私は昨日から漠然と感じていた一つの疑問がようやく私の心の中で結晶して来たのを感じた。