Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme
甲斐はちょっとまをおいてから云った、「そういう役目はない、おまえは原田の家従でもなし、もう伊達の家臣でもないのだ」
「私は原田家の家従です、直臣にあげられましてからも、自分ではずっと原田家の家従のつもりでおりました」
「それならなおさら、私の云うことをきけない筈はないだろう、おまえは家禄没収のうえ追放になった、これからは自分の身を立てることだけを考えればいいのだ」
「直臣としては追放になっても、原田家から追放された覚えはございません」
「そういう云いかたを私が好むとでも思うのか」
「私は原田家の家従です」舎人は顔を硬ばらせた、「よしそうでなくとも、こなたさまが御家名も御一命もなげうって、伊達六十万石の安泰を護りぬこうとなすっておられるのに、自分だけが身の安全を考えるなどということは、私にはできません」
「酔っているのか」と甲斐が訊いた。
「私の申上げたことはおわかりになっている筈です」
「もし酔っているのでなければ、私がそんな云いかたを好まない、ということを思い出してくれ」と甲斐は云った、「私は船岡の館主として、当然しなければならないことをするだけだ、家名や一命を賭けて、などという悲壮な決意もないし、自分の能力以上のことをやろうとするわけでもない、おまえは無実の罪を衣せられ、追放になったことで思い詰めた結果、ものごと