Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme
――私は二刻半ちかくも待つあいだ、内記どのや関どののようすを見ておりましたが、どうやらこれまでとは事情が変ってきたようにみうけられました。
「なにが変った、なにがどう変ったというのだ」
――これがかようと、確たる例はあげられませんが、接待のしかたもこれまでとは格段に下がり、一と言で申せば、殆んど邪魔者扱いでございました。
「きさまの僻みだ、ははは、聞いたか隼人、内膳は年甲斐もなく僻んでいるぞ、酒が不味い、女どもを呼べ、いや待て、まあ待て、もっと寄れ内膳、いまは大事なときだぞ、いいか、涌谷の訴訟はおれがめあてだ、いいか、もしもおれが、万一にもこのおれが罪に問われるとすれば、酒井侯も無事では済まぬ、酒井侯とおれには契約があり、互いに証文まで取り交わしているのだ、おれが問罪されるような場合には、その累は必ず酒井侯にも及ぶだろう、侯はそれを知っている、侯がそれを忘れる筈は断じてない、にもかかわらずおれを邪魔にするというのか」
――おそれながら私は、おのれの見たところを正直に申上げるよりほかはございません。
――隼人より申上げます。
「おれの云うことに誤りはあるまい、隼人、内膳は勘違いをしておる、僻んでいるのだと云ってやれ」