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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

――やはり内膳をたよってお屋敷へまいり、金の無心をしたそうですが、両眼ともつぶれ、乞食のような姿であったとございました。

「両眼ともつぶれたと」

――なかまの者と争いが生じ、その者のために両眼を突きつぶされたので、その日の食にも窮していると申し、泣いて施与を乞うたと書いてございました。

「内膳はどうした」

――さような者は知らぬと、追い帰したそうでございます。

「おれは部屋住の辛さを知っている、勝手元の苦しさも味わった、したがっておれはむだ遣いをしたことはない、必要と思われる入費もできるだけ削るようにつとめて来た、だが、あの柿崎にはまんまとくわされた」

――おそれながら。

「過ぎたことだ、名を聞くまでは忘れていたが、思いだしてみると肚がいえぬ、あんなしれ者にくわされたかと思うと、自分で自分にはらが立つ」

――しかし両眼を突きつぶされ、乞食同然になったと申します。

「おれがやりたかった、おれのこの手で突きつぶしてやりたいくらいだ、酒がぬるいぞ」

――おそれながら、お人払いを。

「呼ぶまでみなさがっておれ」

――吉岡どのが始めました。

「奥山大学が、どうした」

――政冶の紊れを幕府老中の手で打開してもらおうということ、また自分の寃罪をはらしたいということで、国老のあいだを奔走し、国目付へ訴えるとも申しているようでござい