Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lesen Sie 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.533 Zeichen · 52 Bildschirme
「それは判っております」
「銅板も返そうか」
唐崎荘之介はよくよく折れた様子です。
「いえそんなものは要りません。それより、書生の花井を刺したのと、堤防を壊して私達を殺そうとしたのが誰だか、それを秘書の杉村さんに聞いて下さい」
健一は最後の疑問を投出しました。
「僕を疑ってるようですが、それは僕じゃありません、書生を刺したのは兎も角、堤防を壊したのは、時々あの辺で釣をしていた、ロイド眼鏡の男です」
「えッ」
秘書の杉村の言うことは、全く思の外でした。丁度その時、
「一関から写真が届きました」
お高が持って来た引伸写真の包、引き割くように開いて見ると、中から出たのは四切の写真で、平泉館の地下の宝庫の絵図面が、銅板の原図よりも明瞭に見られるばかりでなく、端っこの方に、小刀か何かで引っ掻いた文字。
――滝山が私をねらっている、管が切られた、もう死ぬ――
乱れに乱れてはおりますが、いともはっきり読めるのでした。
「あッ」
お高さんは床の上へ崩折れました。引伸写真を覗いていたのですが、夫が断末魔の苦しみのうちに、自分を殺した相手の名を書いたのを見て気を喪ったのです。
「そう言えば、正平爺やを殺したのも滝山に違いないワ、あの映画館のプログラムが三冊あったのは、矢張り、途中で一人だけ出て、爺やを殺して又映画館へ帰ったんだワ」