Japanische Klassiker mit Furigana
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すいちゅうのきゅうでん
水中の宮殿
野村 胡堂
Lesen Sie 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.533 Zeichen · 52 Bildschirme
川底に埋まる――平泉文明の遺跡
兎に角、警察にお願いして、どんな事をしても探して貰うんだな。次第によっては懸賞を出してもいい、一万円位なら」
唐崎荘之介は、金庫も爺やも見ようともせず、その儘玄関から引返しました。
「綾子さん、あの人おかしいと思わない」
「え?」
唐崎荘之介を見送って、燿子は綾子の耳に不思議な事を囁きました。
「この家へ始終来るんでしょう」
「え、勝手に入ったりするワ」
「そんなに懇意なくせに、どうして中へ入って見ずに玄関から帰って行ったかしら、――綾子さんへ一言も口をきかないのもおかしいし、――大事な記録を盗まれたというのに、金庫の様子を見ようともしないのも変じゃありません?」
「…………」
「それから、滝山さんは昨夜爺やさんが殺された頃、何処へ行っていたか聞いて下さらない? 滝山さんの奥さんは一緒だったかどうか、――もう一つ、滝山さんが昨夜着ていた着物を見られないかしら」燿子は妙な事を言い出します。
川底に埋まる――平泉文明の遺跡
綾子と燿子は、その日のうちに、鎌倉の翠川家別邸へ引揚げました。
「お兄様、大変な事が起こったワ」
「聞いたよ、綾子さんのお家の爺やさんの事だろう」
水泳の練習から帰って来た健一は、よく陽に焦けた、素晴しい身体に、大急ぎで浴衣を引っかけてヴェランダに出てきました。