Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Lesen Sie 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.110 Zeichen · 131 Bildschirme
一旦の別離を悲しんで永日の悲歎をお残しなされぬように」
と再三なぐさめの言葉を申した。母もこの理に折れて承諾の言葉を述べたけれども袖に余る悲しみの涙が我が小児の黒髪をうるおした。その悲しみの思いを歌って、
かたみとてはかなき親のとどめてし
この別れさへまた如何にせむ
そうしてはじめて比叡の西塔北谷、持宝房源光が許へ勢至丸を遣わされた。その時叔父の観覚の手紙には、
進上、大聖文殊像一体
と、文殊は智恵である。この子が智恵の優れた子であるということを示す為であった。
かくて勢至丸十五歳近衛院の御宇、久安三年の二月十三日に山陽の道を踏み上って九重の都の巷に上り著いた時、途中時の摂政であった藤原忠通の行列に行き会ったので、勢至丸は馬から降りて道の傍によけていると、摂政殿が勢至丸を見て車を止められて、
「いずくの人ぞ」
とお尋ねがあった。おそばの者が、
「これは美作の国より出家修業の為に叡山に登るものでございます」と申上げた。摂政殿がそれを見て勢至丸に御礼儀があって、通り過ぎさせられたから、おそばの者が意外の思いをした。摂政殿が後に申されるには、
「今日路次で会った処の子わらべは眼から光りを放っている。