Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

ナニ縁を断ッてしまえば赤の他人、他人に遠慮も糸瓜もいらぬ事だ……糞ッ、面宛半分に下宿をしてくれよう……」ト肚の裏で独言をいうと、不思議やお勢の姿が目前にちらつく。「ハテそうしては彼娘が……」ト文三は少しく萎れたが……不図又叔母の悪々しい者面を憶出して、又憤然となり、「糞ッ止めても止まらぬぞ」ト何時にない断念のよさ。こう腹を定めて見ると、サアモウ一刻も居るのが厭になる、借住居かとおもえば子舎が気に喰わなくなる、我物でないかと思えば縁の欠けた火入まで気色に障わる。時計を見れば早十一時、今から荷物を取旁付けて是非とも今日中には下宿を為よう、と思えば心までいそがれ、「糞ッ止めても止まらぬぞ」ト口癖のように言いながら、熱気となって其処らを取旁付けにかかり、何か探そうとして机の抽斗を開け、中に納れてあッた年頃五十の上をゆく白髪たる老婦の写真にフト眼を注めて、我にもなく熟々と眺め入ッた。これは老母の写真で。御存知の通り文三は生得の親おもい、母親の写真を視て、我が辛苦を甞め艱難を忍びながら定めない浮世に存生らえていたる、自分一個の為而已でない事を想出し、我と我を叱りもし又励しもする事何時も何時も。