Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

「ハイ」

「文さんのお弁当は打開けておしまい」

お鍋女郎は襖の彼方から横幅の広い顔を差出して、「ヘー」とモッケな顔付。

「アノネ、内の文さんは昨日御免にお成りだッサ」

「ヘーそれは」

「どうしても働のある人は、フフン違ッたもんだヨ」

ト半まで言切らぬ内、文三は血相を変てツと身を起し、ツカツカと座舗を立出でて我子舎へ戻り、机の前にブッ座ッて歯を噛切ッての悔涙、ハラハラと膝へ濫した。暫らく有ッて文三は、はふり落ちる涙の雨をハンカチーフで拭止めた……がさて拭ッても取れないのは沸返える胸のムシャクシャ、熟々と思廻らせば廻らすほど、悔しくも又口惜しくなる。免職と聞くより早くガラリと変る人の心のさもしさは、道理らしい愚痴の蓋で隠蔽そうとしても看透かされる。とはいえそれは忍ぼうと思えば忍びもなろうが、面あたりに意久地なしと言わぬばかりのからみ文句、人を見括ッた一言ばかりは、如何にしても腹に据えかねる。何故意久地がないとて叔母がああ嘲り辱めたか、其処まで思い廻らす暇がない、唯もう腸が断れるばかりに悔しく口惜しく、恨めしく腹立たしい。文三は憤然として「ヨシ先がその気なら此方もその気だ、畢竟姨と思えばこそ甥と思えばこそ、言たい放題をも言わして置くのだ。