Japanische Klassiker mit Furigana
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しおかぜ
潮風
豊島 与志雄
Lesen Sie 潮風 (しおかぜ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.018 Zeichen · 25 Bildschirme
そして、俺ももしかすると、彼女がいなかったら――君のことだよ――彼女がいなかったら、それらの女たちの誰かと結婚するようになるかも知れなかったんだ、ざまあ見ろ、いい気味だ、とそんな気持がして、それから、ふと、空を仰いだりするひょうしに、君のことが憎らしくなるんだ。今はお互いに愛してるけれど、いつ、ほかに、僕に恋人が出来るかも知れないし、君に恋人が出来るかも知れない。その時は、互いに、隠さずに打明けると約束したね。その約束を守ってもらいたいんだ。君に恋人が出来たなら出来たで、そりゃあ仕方がない。はっきりそう云ってくれればいいんだ。だまされるのは一番たまらない。」
「じゃあも一度、何度も、はっきり約束するわ。」
芳枝さんが小指を差し出すと、片野さんも小指を差出して、握りあって打ち振った。
「これでいいでしょう。何度くり返したって同じよ。そして約束を守って、しっかり生きていくの。もう無駄使いも止しましょうね。これから、お金を儲けることよ。二人でお金をたくさん儲けたら、それでいいじゃないの。結婚なんて、どうだっていいわ。」
片野さんはうなずいたが、何やら浮かぬ顔色だった。